突然ですがみなさん、ルッキズムという言葉を聞いたことがありますか?
容姿でその人を判断したり、差別することを指します。
人は誰しもが言葉にはせずとも、このルッキズムという思想をもっていると私は考えています。
本日は美人に生まれてきたがゆえの悲劇に囚われた女性を描いた作品・藤崎翔氏著作「逆転美人」について紹介していこうと思います。
当ブログでは、なるべくネタバレの無いようにあらすじ・感想を書いております。
あらすじ
美人すぎるが故に幼少期から何度もいじめや犯罪の被害に遭い、不幸な人生を歩んできたシングマザーの香織(仮名)。ついに娘の学校の教師にまで襲われたのを機に手記「逆転美人」を出版。果たしてタイトルの本当の意味とは!?そして、ラストに明かされる驚愕のトリック、、、
主要な登場人物
・香織(仮名)〜 本作の主人公
・香織の両親
・香織の娘、息子
・伊藤先生 〜 香織の高校時代の人気英語教師
・美希さん 〜 香織のバイト先の先輩。20歳フリーター。
・鈴木さん 〜 香織のバイト先の先輩。教員の志望
・M教諭 〜 香織の娘の教師。
・Kさん 〜 香織のバイト時代の常連客。不動産業勤務
感想
いやー驚きました。まさかそんな魅せ方があるとは。伝説級のトリックとあるので期待していましたが、期待を遥かに超えてきました。これ気付けた人いるのかな、、そう思ってしまうぐらい衝撃を受けました。
作中にも出てくる人を容姿で判断する「ルッキズム」という言葉ですが、日常において誰しもがこのルッキズムという概念のもと、無意識に行動、発言したことがあるのではないのでしょうか。
髪型、顔貌、体型、言葉通りそのルックスから、この見た目だからこうであるはずだとか、こうあるべきだといった考えは、誰もが一度は抱いたことがある思います。私自身も幼い頃は人とは特徴的な見た目のせいでからかわれてきたこともあり(今ではむしろ自虐していますが笑)他人には決して容姿を貶すことはしてきませんでした。
しかし、心のどこかで容姿の優劣を意識したり、他人の容姿を羨むことは皆が持つ感覚だと思います。それがある一線を超えてしまい、妬んだり、人を貶めたり、あらゆる感情が交差して取り返しのつかない事態を引き起こす。人が潜在的に持つものの怖さを感じる、そんな作品でした。
こんな人にオススメ
・謎解きが好き
・注意深く読みたい
・どんでん返しが好き
手記長に書かれていて難しい言い回しも少ないので、ミステリーが得意でない方にも読みやすい作品だと思います。
サクサク読めてしまいますが、ところどころ違和感を感じる部分や不自然な書き方があるので注意深く読んでほしいです。(サクサク読めるのに注意深くとは矛盾している気もしますが)
そして、ラストのトリックに驚愕してほしいです。これに気付けた方がいたら教えていただきたいですね。